今回は、マラセチア性外耳炎の治療例をご紹介します。
症例
日本スピッツ
主訴
耳を痒がっているとのことで来院されました。
元々外耳炎を2,3ヶ月程度の頻度で繰り返していたとのことでした。
来院時の実際のようす
全身の皮膚は綺麗ではあったものの、耳に関しては両耳ともに耳垢が多く蓄積していました。
また、赤みや腫れといった症状も見られました。
検査、治療
耳鏡検査
耳鏡検査で耳の中を確認後、耳垢を採材し顕微鏡で確認をしました。
結果、両耳ともにマラセチアが確認されました。
耳道洗浄と点耳
院内にて耳道洗浄を行いました。
また、マラセチアに対する点耳薬で治療開始しました。
経過
治療開始1週間で痒みはなくなりました。検査でもマラセチアは確認できず、マラセチア性外耳炎自体の治療は終了としました。
その上で、マラセチア性外耳炎の背景には基礎疾患(食物アレルギーやアトピー性皮膚炎)がある可能性が高いため、そちらに対しての治療を開始しました。
視診では、全身にはアレルギー所見は見当たらず、問診でもそのような様子はないとのことで、耳に限った症状と判断しました。
マラセチアの点耳薬からアレリーフローション(ステロイドの塗り薬)に変更し、徐々に減少していきました。
新宿区四谷・市ヶ谷エリアの犬と猫専門の動物病院
四谷三丁目駅より徒歩3分