新宿区の犬と猫の動物病院
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歯科
歯科のご案内
口腔内のトラブルは、その大小はありますが多くの犬や猫が遭遇する問題です。
多くは、歯磨きなどのケアが難しかったり、不適切なおもちゃを与えていたりと、日頃から何に気をつけるべきなのか適切な説明を受けていない、あるいは間違った認識のままお口の状態の悪化を見逃してきてしまっているパターンが多い印象を受けます。
特に、子犬・子猫の時期からお口のケアに慣らしていくことは日頃の管理をしやすくする上で何よりも重要です。
考えられる歯の病気
歯周病(歯肉炎・歯周炎)
健康な歯周組織の歯肉溝(歯と歯肉の間)に歯垢や歯石が蓄積すると、歯肉に炎症を生じ、さらに放置すると細菌やその毒素が更に歯肉溝深部へと侵入し歯周炎へと進行します。
歯肉に炎症が限局した歯肉炎では適切な歯石・歯垢除去で元の健康な歯周組織に改善する可能性がありますが、歯周炎まで進行した部位は元の状態への回復は望めず、治療も抜歯や歯肉の切開や切除などより侵襲性のある処置が必要となります。
大前提として、これらの歯科処置は絶対的に麻酔下での処置が必要です。昨今、無麻酔でのスケーリングを謳い文句にしている施設をよく見かけますが、処置中の危険があるだけでなく、根本的な歯周病の改善は得られないことに注意が必要です。
破折
破折とは歯が折れてしまう状態のことを指しますが、外傷などで折れてしまう場合よりも硬い物(木のおもちゃや椅子の脚など)を噛んでいるうちに知らず知らずに欠けてしまっている場合が多いです。
歯の表面はエナメル質という硬く薄い層で覆われていますが、容易に欠けやすく、その内側の層、特に歯髄という歯の中心部まで露出してしまうと、歯の根元や顎骨にまで感染や炎症が波及し、重篤化する危険があります。
見つけたら、なるべく早く根管治療(歯の神経を抜く治療)や抜歯が必要になりますので、折れている状態を本人があまり気にしていないようでも一度状態確認のための来院をお勧めしています。
乳歯遺残
犬と猫の換歯は、歯の種類や動物種によっても多少異なりますが、最も遅い犬の後臼歯でも7ヵ月齢頃までには終了します。
換歯は、永久歯が乳歯の歯根を吸収しながら押し出すことで進んでいきますが、歯根の吸収が十分に行われない場合、抜歯を行う必要があります。
乳歯遺残を放置しておくと、永久歯の不正咬合(異常な噛み合わせ)を生じ、口内炎や歯肉炎・歯周炎を引き起こすため、なるべく早い時期の歯科処置が推奨されます。
当院では、状態にもよりますが子犬・子猫の時期の避妊や去勢手術時に同時に実施する場合が多いです。
口腔鼻腔瘻
上顎歯の歯周炎などで上顎の歯槽骨が破壊されると、口腔と鼻腔が貫通した状態になります。特に犬の犬歯の歯根はかなり深く歯槽骨に埋まっており、鼻腔と近い位置関係にあるため発生頻度が高い特徴があります。
一般的な症状としては、くしゃみや膿性の鼻汁の排出が一般的ですが、鼻出血や眼脂を認めることもあります。治療は原因となる歯の抜歯と瘻孔を形成している抜歯窩の閉鎖(フラップ)を行います。
経過が長引くと鼻炎が慢性化し、鼻腔瘻の改善後にも症状が持続する場合があるため注意が必要です。
根尖周囲病巣
根尖周囲病巣は、歯髄から歯の根元まで及んだ感染や炎症、あるいは根尖部にまで至るような重度の歯周炎により、根尖部の歯周組織に肉芽腫や嚢胞、膿瘍といった病変を発症する病気です。
病変が歯肉や歯槽骨に隠れているため早期の発見が難しく、眼窩下の腫れや皮膚・口腔内からの排膿の症状で気付くことが多いため、治療が遅れてしまう傾向があります。
根尖周囲病巣の診断には、鎮静・麻酔下での口腔内検査(破折や露髄、咬耗などのチェック、歯周ポケットの確認)とX線検査による原因歯の確認を行います。
治療は、残念ながら抗菌薬の内服などの対症療法では完治は見込めないため、麻酔下での抜歯や歯内治療が必要となります。
歯の吸収病巣(猫)
猫で特徴的な口腔疾患の1つです。歯肉縁付近に存在する破歯細胞により、歯の根本が溶かされ(吸収)、やがて歯冠の全てが脱落してしまう病気です。
最終的に歯根部まで吸収され骨に置換されることで病態は終息しますが、病態の進行過程で感染を生じると根尖周囲病巣などを併発する場合もあります。
治療は、病変の歯の抜歯を実施する場合、崩壊している歯冠のみを切除し歯肉を縫合する場合などがありますが、いずれにおいても麻酔下での口腔内のチェックとX線検査、歯科処置が必要になります。
歯肉口内炎(尾側口内炎)
口腔後部の粘膜に炎症を生じる疾患で、猫の6−7%で認められ中齢の猫で多いとされています。
口腔内の細菌やウイルス、免疫の異常などが関与されていると考えられていますがその原因ははっきり分かっていません。
痛みに伴う食欲低下や顕著な流涎、口臭の悪化や出血などを認めます。
治療は口腔内の改善環境の必要があるため、スケーリングと歯周炎に罹患した歯の抜歯が適用となりますが、症状の改善が不十分なことも多く、全臼歯抜歯や全顎抜歯を必要とする場合も少なくありません。
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